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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
午後は、週に一度だけ、彼女と別の講義を選択している。それ以外は全て同じなのに…。
「あなたが居ないから席探しに手間取るの。」
「その講義だけ頼んでる奴は居ないのかい?。」
僕の嫉妬心の溢れ出した言葉だ。
何で[奴]って男と決めつけた呼び方なんだろう。
彼女は僕の心の中を読んだのか
「そんな可笑しなこと頼めるのあなたしか居ないわ?
あなたですら、最初、何だこの変な娘って顔してたわよ!」
「確かに週に一度では、誰に話しかけるか迷っちゃうよね。」
急に恥ずかしくなり、はぐらかした。
そして、今日は忘れずに明日も一緒にランチする約束をした。
いつも用意させて申し訳なかったが、彼女が二人分作る方が張り合いがあるというので、甘えることにした。
彼女と別々の教室に分かれて、すぐに彼女に会いたくなった。
先週もその前も謎の隕石がいなくなりホッとしていたのに。
淋しさを覚えた僕は、さっきの彼女の言葉を思い出して、一部を取り出して、都合よく解釈して喜んでいた。
いつの間にかうたた寝していたようで、夢の中で彼女と先ほどの会話の続きを、
つまり、夢をコントロールするコツを訊いている。