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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
妙にリアルで、その答えを彼女に確認したくて、明日のランチが待ち遠しかった。
部屋に帰り、彼女と会えるならどんな夢でもいいと念じてベッドに潜ったが、効果はなく、夢を見た記憶もなかった。
朝、彼女が滑り込んで隣にくるのをこれほど待ちわびたことがあっただろうか。
さすがに隣で眠ったら、必ず彼女の夢を見るだろうなどと、浅はかな思いをめぐらせて待っていたが、彼女はとうとう来なかった。
自由でない僕に愛想を尽かしたか?
具合でも悪いのか?
どんなに考えても分からないことに午前中の講義の時間を費やした。
彼女がいないと落ち着かない。
好きとか嫌いとか恋愛などに疎い僕だがこの感情が何であるかより、彼女を必要不可欠としている自分に縛られていた。
数日前のように、食堂へ行っても良かったが足が向かず、一人では入れない聖地の芝生に向かっていた。