この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕だけの母さん
第5章 主役
「安心しましたか?」
加藤が母さんの目をじっと見詰めながら訊いた。
「ええ・・。だって・・あの脅迫状のせいで大変な思いをしましたから・・」
母さんは一瞬、加藤を恨めしげに睨んだ後、顔を背けた。
「それは悪かったですね♪でも、奥さんが好きだからこそ!ですから」
そう言って加藤は母さんを自分の方に抱き寄せたのだ。
母さんは嫌がる素振りも抵抗もしなかった。
今日は父さんの姿が見えなかった。
寝室で寝ているのだろうか?
ふと見ると二人の唇が重なっていた。
“触れ合う"などという生易しいものではなかった。
唇同士を擦り合い、舌を絡めているのだ。
妬けた。
僕の母さんが・・
僕だけの母さんの筈が・・
加藤に身も心も奪われてしまった・・
悔しくもあり、悲しくもあり、でも・・
僕の心の中で不思議と加藤への怒りや恨みの
思いが消えていくのを感じていた。
それどころか、見事に母さんの心も体も奪ってしまった加藤への称賛の思いすら湧いてきたのだ。
やっぱり僕なんかには無理だったんだ。
母さんを守ってあげる事も・・
母さんといつか男と女の関係になりたいと願っていた密かな願望も・・
まだ中学生で実の息子の僕には到底無理な話だったのだ。
その事に僕はやっと気付いたのだった。
そして、悔しいけど、主役は僕なんかじゃなく加藤だった事を・・
加藤が母さんの目をじっと見詰めながら訊いた。
「ええ・・。だって・・あの脅迫状のせいで大変な思いをしましたから・・」
母さんは一瞬、加藤を恨めしげに睨んだ後、顔を背けた。
「それは悪かったですね♪でも、奥さんが好きだからこそ!ですから」
そう言って加藤は母さんを自分の方に抱き寄せたのだ。
母さんは嫌がる素振りも抵抗もしなかった。
今日は父さんの姿が見えなかった。
寝室で寝ているのだろうか?
ふと見ると二人の唇が重なっていた。
“触れ合う"などという生易しいものではなかった。
唇同士を擦り合い、舌を絡めているのだ。
妬けた。
僕の母さんが・・
僕だけの母さんの筈が・・
加藤に身も心も奪われてしまった・・
悔しくもあり、悲しくもあり、でも・・
僕の心の中で不思議と加藤への怒りや恨みの
思いが消えていくのを感じていた。
それどころか、見事に母さんの心も体も奪ってしまった加藤への称賛の思いすら湧いてきたのだ。
やっぱり僕なんかには無理だったんだ。
母さんを守ってあげる事も・・
母さんといつか男と女の関係になりたいと願っていた密かな願望も・・
まだ中学生で実の息子の僕には到底無理な話だったのだ。
その事に僕はやっと気付いたのだった。
そして、悔しいけど、主役は僕なんかじゃなく加藤だった事を・・