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僕だけの母さん
第5章 主役
「あっ?あっ?ああっ・・!!」
寝室で寝ている父さんに聞こえはしまいかと心配してしまう程のけたたましい声を上げる母さんを僕は呆然と眺めていた。
でも、羞恥の股間を唇と舌で舐め擦られては女性なら誰でも母さんと同じ反応を見せるに違いなかった。
それから間もなく、加藤の唇と舌でイカされた母さんが、ああっ!!!!とつんざくような悲鳴を放ったのだった。
ドキッとした。
今の悲鳴は間違いなく父さんが寝ている寝室まで届いた筈だった。
それにもしかしたら近所の家にも聞こえたかも知れなかった。
そして僕の心配が現実となったのだった。
ガチャ・・!
寝室のドアが開く音がしたのだ。
その瞬間、母さんがハッとして全身を硬直させたのがわかった。
勿論、加藤も行為を中断して身動きを止めていた。
だが、不幸中の幸いだった。
父さんはトイレに起きただけのようだった。
大きなあくびをしながら、まっすぐトイレに向かったのだ。
リビングで息を殺して身を伏せている二人には気付いていないようだった。
僕もホッと胸を撫で下ろした。
どんな言い訳をしようと、加藤と二人で全裸でいるところを見られたら、それこそ一貫の終わりだったから。
「奥さん、服を着て!」
母さんに加藤が声をかけた。
母さんが慌てて加藤の上から身を起こして、脱ぎ散らかした下着を身に着け始めた。
(そうか・・!隣で寝ている筈の母さんがいない事に気づいたら、父さんのことだから、母さんを探すかも知れないしな・・)
僕は加藤の的確な判断に感心した。
母さんが衣服を身に着けるのが早かった。
ブラウスのボタンは一ヶ所おきだったし、パンストも穿いていなかったが、酔っ払っている父さんはそんな事まで気がつかない筈だった。
「あなた、大丈夫ですか?」
トイレから出てきた父さんに母さんが声をかけた。
「ああ、いたのか?隣にいなかったからどこにいるのかと思ったよ」
父さんは人の良い笑顔を浮かべて、やや呂律の回らないしゃべりで答えていた。
「ええ、まだやる事があったので・・」
母さんはふらつく父さんを支えながら寝室に向かう。
やはり加藤の判断は正しかった。
あの分じゃ、父さんがトイレから出てきた時、やはり母さんを探していた筈だったから。