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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
叱責を耳にしたサクナは、大人しく従うことに致しました。まだ婚礼が済んでいない以上、ここで無意味な意地を張って諫言の主に逆らって、事を荒立てるのは得策ではありません。

「…済まねえ。客に対して、大人気無かった」
「こちらこそ、祝いの席に非礼な事をして悪かった」
サクナが手を引くとタンム卿も力を緩め、二人は気まずそうに苦笑して、普通に一度だけ握手を交わしました。その後タンム卿はサクナを制した声の主を見て、ん?と首を傾げました。
「おや…」
二人の和解にほっとしたスグリ姫は、濃紺のドレスに目を留めたタンム卿に気が付いて、慌ててバンシルを紹介しました。
「タンム様、以前もお目にかかりました、侍女のバンシルですわ。バンシル、タンム様にはご無沙汰だわね?」
「ほう…」
「…お久しゅうございます、タンム様」
「ふうん。お久し振り…だったかな?」
タンム卿は、俯いて舌打ち寸前の表情を浮かべているバンシルを、頭の先から爪先までじっと眺めて、楽しそうな笑みを浮かべました。
そしてスグリ姫に向かって朗らかに、更なる賞賛を贈りました。

「これはこれは…お二人が並ぶと、更に美しい。艶やかな二輪の花の様ですね」
「まあ!ありがとうございます」
「こっち見んな。この一輪は売約済みだ。誰にも売らねえ。売りもんじゃねえ」
「おいおい。落ち着いたかと思ったら、またか…今日は披露目の会だろう?スグリ嬢を見せなかったら、嫁御の披露にならないぞ?馬鹿な事を言うな」
「…馬鹿なんですよ。」
「馬鹿でいらっしゃいますものね」
タンム卿が苦笑してバンシルがぼそっと呟いた所まではほぼ姫の予想の範囲内でしたが、バンシルとほとんど同じ言葉が予想外の場所から、サクナの腕に囲われている姫の耳に聞こえてきました。
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