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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「…まあ!ローゼル様!」
「本日はお招きありがとうございます。ご婚約、おめでとうございます」
ローゼルは、濃いオレンジ色のドレスを着ておりました。そのドレスは、ローゼルのこの季節でも変わらぬ健康的に焼けた肌や、艶のある濃い色の結い上げられた巻き毛に、恐ろしく良く似合いました。
「祝いの言葉を有り難う、ローゼル」
「ありがとうございます、ローゼル様。今日は、一段とお美しくていらっしゃいますのね…素敵ですわ、ほんとに綺麗…」
スグリ姫はローゼルを見て、思わずぽーっとなりました。いつも十分に美しいローゼルですが、今日の美しさは、美人というものは着飾ると見た者が言葉を失うくらい破壊的に美しいのね、と姫が感動を覚える程でした。
「お褒め頂いてありがとうございます。でも、今日のスグリ様のお幸せ一杯で溢れんばかりのお美しさに、敵う女など居ませんことよ」
「まあ…!」
「当然だろ」
ローゼルのにこやかな挨拶に姫は自分のドレスと同じ位赤く頬を染め、サクナは平然と嘯き、バンシルは無言無表情で頷きました。
そうしてローゼルの挨拶が一段落した所で、ローゼルの影に控えていた男性が、口を開きました。
「この度はご婚約、誠におめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます」
「ああ、有り難う。ビスカス」
サクナの返答を聞いて、スグリ姫は目をまん丸く見開きました。
「へっ?!え?え、あなた、ビスカスさんっ?!」
小柄ながら、服の上からも分かる引き締まった体躯に正装を纏った凛々しい印象の男に、姫は小さく驚きの声を上げました。
「そうですよー、スグリ様ぁー。お招き、ありがとうございやすー」
姫に話し掛けられてくしゃんと相好を崩すと、ビスカスはいつものビスカスに大分近くなりました。が、ローゼルが一瞬鋭い視線を向けると、音がしそうな位にすぐにピシッと直りました。
「…すごい…素敵よ!かっこいいわ、ビスカスさん…!!」
「いつもながら良くもまあ化けるよなあ、お前は」
姫は驚きのあまりはしゃぎ声を上げ、サクナはそれを横目でちらっと見ながら小声でぶつくさ呟きました。
「本日はお招きありがとうございます。ご婚約、おめでとうございます」
ローゼルは、濃いオレンジ色のドレスを着ておりました。そのドレスは、ローゼルのこの季節でも変わらぬ健康的に焼けた肌や、艶のある濃い色の結い上げられた巻き毛に、恐ろしく良く似合いました。
「祝いの言葉を有り難う、ローゼル」
「ありがとうございます、ローゼル様。今日は、一段とお美しくていらっしゃいますのね…素敵ですわ、ほんとに綺麗…」
スグリ姫はローゼルを見て、思わずぽーっとなりました。いつも十分に美しいローゼルですが、今日の美しさは、美人というものは着飾ると見た者が言葉を失うくらい破壊的に美しいのね、と姫が感動を覚える程でした。
「お褒め頂いてありがとうございます。でも、今日のスグリ様のお幸せ一杯で溢れんばかりのお美しさに、敵う女など居ませんことよ」
「まあ…!」
「当然だろ」
ローゼルのにこやかな挨拶に姫は自分のドレスと同じ位赤く頬を染め、サクナは平然と嘯き、バンシルは無言無表情で頷きました。
そうしてローゼルの挨拶が一段落した所で、ローゼルの影に控えていた男性が、口を開きました。
「この度はご婚約、誠におめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます」
「ああ、有り難う。ビスカス」
サクナの返答を聞いて、スグリ姫は目をまん丸く見開きました。
「へっ?!え?え、あなた、ビスカスさんっ?!」
小柄ながら、服の上からも分かる引き締まった体躯に正装を纏った凛々しい印象の男に、姫は小さく驚きの声を上げました。
「そうですよー、スグリ様ぁー。お招き、ありがとうございやすー」
姫に話し掛けられてくしゃんと相好を崩すと、ビスカスはいつものビスカスに大分近くなりました。が、ローゼルが一瞬鋭い視線を向けると、音がしそうな位にすぐにピシッと直りました。
「…すごい…素敵よ!かっこいいわ、ビスカスさん…!!」
「いつもながら良くもまあ化けるよなあ、お前は」
姫は驚きのあまりはしゃぎ声を上げ、サクナはそれを横目でちらっと見ながら小声でぶつくさ呟きました。