この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「それに、もしサクナより宜しい人が居るけどどうですかって言われても、無理なんです」
「無理?」
酔いが回ったのとサクナ恋しさで、姫の公式口調はすっかり抜け落ちておりました。

「いつも、すごーく、気持ち良くって…体中ふにゃふにゃになってしまうので…」
そう言って目を伏せた姫が何とも言えず色っぽかったので、奥様方はそれを見ただけで色っぽい気持ちになりました。

「いつも、おかしくなりそうに気持ち良くって…これ以上宜しいとか気持ち良いとか、本気で、絶対、無理です」
今でさえ、気持ち良過ぎて頭がおかしくなりそう記録が毎回更新される位なのですから、これ以上などという事になったら、どうなるのでしょう。

「…いまよりきもちよくなったら、しんじゃう…」
スグリ姫は手に持ったグラスのをくいっと空けて、真っ赤な頬と潤んだ瞳で、溜息まじりに呟きました。
姫自身はそれを口に出して言ったつもりは全くなかったのですが、周りにはしっかり聞こえておりました。それを聞いたご婦人方の幾人かは、動揺してグラスを派手に倒しました。
「あ、大丈夫ですか…?」
「えっ、ええ、大丈夫よ…ご心配、有り難う…」
姫から溢れる艶めかしさに当てられて、卓の雰囲気がそわそわした物になりました。

「とにかく、万が一そういう事が有るとしても、無理です。誘われてもご辞退したいですし、全力で遠慮します。…サクナだけで、一杯だもの…サクナ以外、要らないわ…」
またもや後半は口に出したつもりは全く無いまま、グラスにちゅっと口づけするように酒を舐めてほうっと甘く息を吐くスグリ姫に、周りの奥様方はますます落ち着かなくなり、椅子に落ち着いて座っていられなくなりそうな程でした。

「スグリ様…?」
「はぁい?」
とろんとした目でにこーっと笑うスグリ姫は女から見ても抱きたくなるほど凄絶に色っぽく愛らしく、奥様方はこの家の果実酒の「気持ち良い」の威力を思い知りました。

「…いえ、なんでも御座いませんわ…ご馳走様…」
「まあ!御馳走様なんて、まだおっしゃらないで下さいな!よろしかったらご遠慮なさらず、もっと召し上がって下さい、サ…っ主人の作った、うちのお酒!」
見る者全てを落とす勢いで酔っ払った嫁御様のお蔭で、このあと屋敷には当てられてそわそわした奥様方による「気持ち良い」果実酒の注文が殺到するのですが…
それは、後々のお話でございます。
/235ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ