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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「…スグリ様?」
「はいー?」
こほん、と咳払いした奥様に、姫はふにゃんと力の抜けた微笑みを返しました。大分酔いが回って来ている様子です。

「…聞くところによると、たくさんの殿方と『お見合い』された末、サクナ様をお選びになったとか?」
「奥様、それは!」
「ああ、お見合い…ええ、そうですわねー?」
「スグリ様?!」
またもや繰り出された失礼な質問を止めようとした瞬間、姫自身が無礼な問いをあっさり肯定し、それを聞いた若奥様は驚きで固まりました。
今の姫にとって「お見合い」は、サクナに寝室で意地悪される時以外は既に思い出さないような過去でした。ですが、実際あったことではありますし、特に隠し立てしたい事でも無かったので、質問に素直に頷いたのです。

「それだけお見合いした方がいらしたのなら、今でも気になる方なんかもお出ででしょう?」
「へ?」
「それに、もうちょっとお見合いしてみたら、サクナ様より宜しいかたが他にもいらっしゃるかもしれないじゃない?」
「ふ?」
「もっと色々な方とお試しになりたいとは、お思いにならないの?」
「…えーっと、」
矢継ぎ早に聞かれたスグリ姫は、ふわふわと考えのまとまりにくくなった頭で、かなり頑張って考えました。

「いままでの、お見合いはー…」
姫は、サクナより前にお見合いしたお相手の方々のことを、思い出そうとしました。
が、お見合いをしたことは憶えているのですが、どんな風にしたかは狭量で執拗な最後の婚約者にすっかり上書きされていて、見事に思い出せませんでした。
その上、今では「お見合い」と聞くと、「たとえ見合い相手の誰かと結婚していたとしてもお前は俺が貰う」とサクナに言われてされたことの数々を筆頭に、「これは見合いでヤッたことあるか?」とか「見合いで風呂に入った事は?」と聞かれてはされた事ばかりが思い出されるようになってしまったので、「お見合い」という単語を聞いても、ただただ体の奥がサクナを求めて切なく疼くきっかけになるだけでした。

「…あのう…実は、お見合いのこと、もうよく憶えてないんです。今はちょっと…色々あって、あんまり思い出せなくなってしまって…すみません」
色々あった事を思い出してしまった姫は、色々して来た相手が恋しくなってむずむずしてきていましたが、それでもお客様にはきちんとお答えせねばと思い、一生懸命考えました。
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