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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第3章 古傷と爪痕
「おい、泣いてんのか?」
「…ないてない。」
「嘘言うな、泣いてるだろ絶対」
サクナは小山を覗こうとしましたが、小山に素早く穴を塞がれました。
「おい、顔見せろ。一人で泣くな」
「…だって」
「ん?なんだ?」
「こんなことで泣くのは馬鹿だって、分かってるもの」
姫は一度言葉を止めて、それからぽつりと言いました。
「…ローゼル様だったらきっとこんなことしない…」

「あぁ?!」
「ふぇ?」
「ローゼルだぁ?!あいつになんか言われたのか!?」
「わ!」
姫は、しまった、口に出てた、と思いました。
「今の無し!今の、無かったってことで!史上最悪のうっかりだから、聞かなかったことにしてぇええ!」
「んなもん出来るか!」
サクナはますます丸まる小山の布団を無理矢理引きはがすと、隙間に無理矢理入り込んで、無理矢理姫を抱き寄せました。
「ほら見ろ!泣いてんじゃねぇか!」
「ぅっ…」
サクナは姫をきゅっと抱き締めると、頭をわしわし撫でました。
「よしよし、泣いて良いぞ。泣け」
「さっきは、だめって、いったじゃない…」
「俺の見てるとこだったら、良いんだよ」
むしろ泣かせてぇなと言われましたが、姫はすんすん鼻を鳴らしていたので、全く聞いていませんでした。

「やっぱ、あいつになんか言われたんだな?あいつは全くしようがねぇな…いや、あいつと二人にしちまった俺が悪ぃな、済まなかった」
「う…」
「気にすんな。あいつん家は、それが仕事だ」
「…へ?しごと?」
まさか南にはお見合いでも恋人でもなく体を合わせるのが家業のお仕事があるの!?と姫が驚愕していると、サクナが姫には良く分からないことを言い始めました。

「あいつん家は、この家のお目付役の一角だ」
「…え?」
「ハンダマ様の婚礼の前に、俺が一度戻ったろ。ありゃあ、お目付け役達にお前との結婚の許可を得る為だ。そん時も、最初は皆反対したからな」
「…そうなの…」
「勘違いすんな。お前だから反対された訳じゃねぇ。あいつらは、あいつら自身が持って来た話以外は、なんでも反対するんだよ。で、あいつらの持って来る話は全部ろくでも無ぇ話だ。こっちから即お断りだ」
「そう、なのね…」
姫は、サクナの方も決して簡単に結婚を許されたわけではなかったのだと言う事を、初めて聞きました。
大臣からは、家令のクロウは姫の嫁入りに賛成だとしか聞いていなかったからです。
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