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第6章 敬語と命令

「あ…あ、ふっ…う…」
「スグリ、こっち見ろ」
触られた体をびくびく震わせ、目を閉じて喘ぐように呼吸していた姫は、サクナの声で反射的に目を開き、そちらの方を見たようでした…が。

「っは…っあ、ん…」
「…あー、見えて無ぇなあ。まだイッてんのか」
涙を零している姫の目は、ぼうっとしていて、どこにも焦点が合っていませんでした。
それを見たサクナは、はぁはぁ息をしている姫の両胸の先を摘みながら齧り、残った手でひくついていた襞を探り、二人の体液がどろどろに混ざっている中に指を沈めました。
「あ！あっ、やっ、やぁっ、またっ、またぁ！」
「良いから、また動物みたいになっとけ」
中をぐちゅぐちゅ言わせながら掻き混ぜて胸を揉みしだき、耳朶を唇で挟みながら言うと、姫は首を左右に振りました。

「や！や、ですっ…あ！やぁん、あ！！」
「いいか、良ーく聞け。お前と俺がヤッてんだから、お前と俺が好けりゃ良いんだよ…や、じゃなくて、イイ、だろ」
「っ！ふぁああああん！」
指が入っている上の尖りを捏ねる様に押し潰されて、姫の背中が反りました。

「あぁん！あ！あ、いっ、あっ！」
「啼こうが喚こうが何漏らそうが平気だぞ、好きなだけイけ」
唇にちゅっちゅっと何度か口づけられた姫は、体中を細かく震わせてぎゅっと目を閉じ、かすれた声で呻く様に囁きました。
「…じわるっ」
「あ？」
「いじ、わる…ロー、ゼル、さまより、いじわる、ですっ…！」
「なんであいつが出て来んだ、よっ？！」
姫にぼんやりした涙目で睨まれたサクナは、姫を弄りながらまた立ち上がりかけてきた自分を、指の代わりに押し込みました。

「っひ！？ひゃあああん！？」
指より遥かに質量のある物に満たされ、姫の内側は激しく悦び、姫の目の前には火花が散ったように思いました。

「他人を引き合いに出した罰だ、イけるとこまで、イって来い」
「あ、あ、い、ですっ、や…あ、いっ…やぁああん！」


こうして、 敬語と命令の練習は、当初の目的が全く達成されないまま、世が更けるまで続きました。