この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛の調教バトル
第4章 初調教前夜・男の回想1

「翔子、翔子、どうしたんだ?」
と、叫びながら近づいていくと、担架に横たわっていた祥子が私に気づき、
「あっ、やっと、、来てくれたのね」
と、弱々しい声でいった。
「ごめん、遅くなって、それより・・・」
「あなた、この人のお知り合いですか?」
私の言葉を遮り、救急隊員が訪ねた。
「はい、恋人です、ここで待ち合わせしていたんです」
「じゃあ、一緒に乗ってください。すぐ、出しますから・・・」
運び込まれる担架に続いて、私はすぐに飛び乗った。
座席に座り彼女の顔を覗き込むと、
「手を・・・手を・・・」
と弱々しくいうので、あわてて彼女の手を握った。
すると彼女は悲しそうに、
「あたし、死んじゃうのかなあ?」
とつぶやいた。
「しっかりしろ!俺がついている。大丈夫だ、きっと助かる」
と励ましながら、、同意を求めて隣の救急隊員をチラッと見たが、
彼は気の毒そうに顔を曇らせただけだった。
死なせてなるものかと、私がぐっと力を込めて手を握ると、翔子は
「れ、玲子のことを、お願い・・・」
と、目を閉じながら、やっとのことのことでそう声を絞り出した。
それが最後の言葉だった。
病院についてすぐ、翔子は息を引き取った。
医者が死を確認すると、私は翔子の家に電話で連絡した。
二人はすっ飛んで来て、霊安室で翔子と対面した。
もう冷たくなっているのを知り、茫然としていたが、
私が二人の方にてをかけると、
泣きじゃくって私に抱きついてきた。
翔子に代わってこの二人の面倒は、一生俺が見る。
私は、そう決心して、心に誓った。

