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愛の調教バトル
第5章 初調教前夜・男の回想2

突然翔子を失ってしまったショックと悲しみはあまりにも大きかったが、
その後しばらく、私にショックに落ち込む時間も、悲しみに浸る時間も、
私には、全くなかった。
翔子の母はおっとりした性格なので、元々テキパキ物事を処理するのは苦手で、
大人しいがしっかり者の翔子に日常の家事以外はすべて、頼り切っていた。
その翔子が突然死んでしまったのだから、悲嘆にくれただオロオロするばかりだし、
妹の玲子はまだ中学生で、翔子の代わりを務めるのは、とても無理だ。
そこで私が申し出て、翔子の死に関わる一切のことはもちろん、
翔子が担っていたこともすべて、取り仕切ることにした。
翔子の母は、
「ありがとうございます。あなただけが頼りです。どうかよろしくお願いします」
と、何度も何度も頭を下げた。
「お兄ちゃん、お願いします。
お手伝いできることがするからあったらするから、何でも言ってね」
と玲子も、神妙な顔をして、頼み込んできた。
結構面倒なことがいっぱいあって、思っていたより時間がとられたが、
何とかすべてやり遂げ、最後に四十九日の法事と納骨も無事済ますことができた。
この間、ほぼ翔子たちの家に泊まりきりで事に当たっていたが、
ここで一区切りついたので、私はこれで自分の家に戻ると、翔子の母と妹に告げた。
すると、二人は口をそろえて、どうかこのまま、この家に残ってくれと、
這いつくばるようにして頭を下げ、頼み込んできた。
そうはいっても、翔子がいなくなってしまった今、
婿でもないのにこのままここに居座るわけにはいかないし、
ここに住まなくても、すべてこれまで通りにするからと断っても、
まったく聞き入れず、最後はどうか見捨てないでくれとまで、言ってきた。
そこまでいわれては、二人の面倒を一生見ると誓った私としては、
もう家に戻るのは諦めるしかない。
それに、二人と一緒にこの家に住むことが、嫌なわけでもない。
こうして二人に押し切られて、この家で一緒に住むことになった。

