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イかせ屋…2
第2章 その男、絶倫につき…



とにかく、そんな人だから…。

ピルを止めたら1時間で妊娠をさせられそうな気が致します。

気を取り直して料理の続きをする。

と言っても野菜を切って割り下を作るだけのすき焼き…。

ダイニングのテーブルにコンロと鉄鍋を置いて後はご飯が炊ける時間までを待つだけ…。

リビングで項垂れてる昌さんのところに行く。

ソファーの下に座って彼の膝に手を置く。


「何が気に入らない…?」


不安そうな顔で聞いて来る。

今日は2回も私に怒られたから、それがショックなのが伝わって来る。

イかせ屋の男…。

女性に不愉快な思いは絶対にさせてはならないというポリシーを持つ人…。

つまり普通の人なら、なんでもないレベルの私の怒りにも彼はかなり敏感に反応する。


「あのね…、まず昌さんの事を私は何にも知らないのよ?」

「梓には俺の全てを見せてる。」


意味が違う…。

昌さんの秘密…。

秘密というほどではないけれど、誰にも見せた事がない部分。

それは背中に龍の刺青があるという事…。

それを見せるのは私だけだと決めてくれてた気持ちには当然胸きゅんです。

でも…。


「そうじゃなくて…、私は昌さんのお誕生日も知らないって意味だよ。」


普通の人が知ってて当たり前の彼氏の誕生日すら知らない事実を昌さんに教える。

イかせ屋として女性と接触をするのに個人情報は必要がないからと、そういう部分は全て謎の人になってるのだと昌さんはわかってない。


「誕生日?」


昌さんが少し嫌な顔をする。


「うん…、お誕生日。昌さんが生まれた大切な日を恋人ならお祝いしてあげたいと思うし、大体、昌さんって今は何歳なの?」


私の知りたい部分を私なりに伝える。



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