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イかせ屋…2
第3章 その男、絶対的につき…
デートの行き先はいつも昌さんにお任せ。
だから私は昌さんに合わせてれば問題はない。
そのまま2人でマンションを出るとマンションの前には車が待ってる。
運転手は清(きよし)さん…。
助手席にヒロ君…。
2人とも、何故か現在イかせ屋修行中で昌さんの付き人のような事をやってる。
この2人がついて来るなら、どうやらデートではないと判断をする。
「どこに行くの?」
車に乗ってから聞いてみる。
「京都…。」
昌さんが私の額にキスをする。
なぬ!?
京都って…あの京都ですか!?
「京都!?」
「そう、そこにイかせ屋の本家がある。つまり、母の実家があるんだ。」
ニコニコと笑顔を絶やさない昌さん。
イかせ屋に本家とかあるのですか!?
それよりも…。
「お母様のご実家!?」
「うん、だから梓の知りたい事は全てそこで聞けばいい。」
………。
昌さんが家族の中で一番の馬鹿男と言われてる意味がなんとなく理解出来る。
きっと、この人は私が南極のペンギンと遊びたいなどと口走った瞬間には真っ直ぐに南極を目指して走り出す人なんだと容易に想像がつく。
「清は今回は留守を頼む。ヒロはついて来い。お前も向こうで学んで貰う事がある。」
私の驚愕を他所に昌さんがヒロ君達に指示を出す。
なんで、こんな展開になってるのだろう?
そんな事を考えてる間に車は東京駅へと着く。
ブランチとしてヒロ君が買って来た駅弁を新幹線の中で食べる事になる。
「梓は京都は行った事はあるのか?」
昌さんだけがやたらとご機嫌。
「学校の修学旅行で1度だけ…。」
うちの田舎とは違って都会なのにとても綺麗な街だった記憶だけはある。