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イかせ屋…2
第3章 その男、絶対的につき…
だから私の中でもう1度くらいは行きたいと思ってた街が京都だ。
まさか、こんな形で行く事になるとか思ってもみなかった。
「せっかく京都に行くのなら日帰りじゃなくて、ちゃんと着替えとか持って来て旅行として行きたかったなぁ…。」
少し不満を漏らしてみる。
「大丈夫…、京都には2、3日は居るから梓に必要なものは全部揃えてやるし、梓が行きたいところにも連れて行く。」
あっさりと手ぶらの旅行なのだと告げられる。
感覚の違いに悩んでしまう。
こんな昌さんに、この先の未来もちゃんとついて行けるの梓!?
私がそうやって悩む間にやはり新幹線は勝手に京都に着いてしまう。
なるようになれよ!
開き直るしかなかった。
古の都…。
というけれど、大都会を感じさせるお洒落な新幹線の駅ターミナル…。
「ヒロ、梓に必要なものを揃えてホテルに持って行け…。」
昌さんの言葉1つでヒロ君がターミナルにある百貨店に向かって姿を消す。
「梓はこっち…。」
そう言うと昌さんが私の肩を抱き歩き出す。
ターミナルの外に出ればリムジンが昌さんと私を待ってる。
運転手さんは昌さんを知ってるらしい。
昌さんは、いつの間にホテルやリムジンの段取りをしたのだろう?
窓の外を眺めながら、ぼんやりと考える。
都会なのに高い高層ビルはない。
都会特有の殺伐とした雰囲気もない。
どこか懐かしく暖かく感じてしまう綺麗な街。
さすが美観にこだわる京都だと感心する。
しばらくリムジンが走り、如何にも京都らしい町の小道でリムジンが停まる。
一見すると古い民家が立ち並ぶ普通の道に見える。
でも、ここは町屋と呼ばれる商人町だとわかる。