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イかせ屋…2
第1章 その男、過保護につき…



私の部屋を出て行った男…。

私の大切な恋人…私の大好きな彼氏…。

間違いなく私が愛してると思う人…。

曽我 昌(あきら)さん…。

年齢不詳…。

職業…イかせ屋…。

………。

ここが問題!

私は昌さんの事を何も知らない!

前の会社が倒産した為に無職になるという不幸を背負った挙句に前の彼氏にまで騙されてた私は本来ならばボロボロの人生を歩む事になるはずだった。

そんな状況の私を救い出してくれたのが昌さん。

そして私の傷ついた心を癒してくれたのも昌さん。

何故なら彼はイかせ屋だから…。

それは古の歴史を持つ風俗業…。

女性の性に関するありとあらゆる知識を受け継ぎ、次の世代に伝えてく一族の末裔。

だから女性は絶対に傷つけないという人。

傷つけない為にとキスも本番もせずに女性を悦びだけが溢れるオーガニズムの頂点へと導くのがイかせ屋のお仕事。

その昌さんに出会った私が彼に溺れて、昌さんも私を唯一の愛する女として選んでくれた。

そういう意味では風俗としての、そのお仕事については私も理解があるつもりだし、何よりも昌さんを本当に愛してる…。

結婚だって…。

そりゃ、したいと思います。

今だって間違いなく私は至れり尽くせりの生活をさせて貰ってる。

このマンションだって、昌さんが用意をしてくれた部屋です。

最初の条件では私が家賃を払う予定だったのに


「俺が好きな女に金を払わすなんて事は絶対にさせるつもりはない。」


の一言で結局は家賃無し。

光熱費の請求も何故か曽我家に行ってしまうから私は払ってない。

気付けば生活費と称して私の銀行口座にお金が振り込まれてるから自分の本来の貯金すらわからなくなってしまった。



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