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イかせ屋…2
第1章 その男、過保護につき…



昌さんと出会って3ヶ月…。

お互いの気持ちを確かめあってお付き合いを始めて2ヶ月…。

私がわかってる事は…。

このマンションから歩いて1分という至近距離に曽我家がある。

曽我家の家族構成は男4人。

まず昌さんのお父様…通称、親分様…。

曽我家は由緒あるヤクザの家系。

古くは江戸から始まったという立派な老舗ヤクザであり、今は昌さんのお兄さんである昊(ひろし)さんが芸能プロダクションを経営されるという形へ変化されたらしい。

親分様はお祭りの屋台などの手配をするお仕事をされてる。

屋台で働く怖い顔のお兄さん達はテキ屋と呼ばれ、全国のお祭りへと出張する。

家族のある方はともかく、独身のテキ屋さん達は曽我家に住み込みという人達がたくさん居る為に、私が曽我家には居づらいかもしれないと、このマンションの部屋で私は暮らし昌さんが通う形にした。

そして、最後が昌さんの弟さんの昇(のぼる)君…。

今は大学生で、将来はまだ考え中らしい。

そんな男ばかりの曽我家…。

お母様は他界をされてる。

だから、私が曽我家に遊びに行くと昌さんによく似た厳つい顔で渋い着物を着た親分様が嬉しそうに目を細める。


「うちに女の子が居るのはいいね…。」


穏やかで、昌さんと同じように素敵な声で親分様が言ってくれる。


「お茶にしましょう。」


お土産のケーキの箱を見せると親分様が更に嬉しそうな笑顔を見せて下さる。

縁側でのティータイム…。

今や3日に一度の恒例行事。

昌さんとお付き合いをしてから唯一私がやってるお遊び…。

厳つい顔に逆らうようにお酒が飲めない親分様は甘党だから私とのお茶の時間が楽しみなんだと言われた。

因みに、昌さんもお酒が飲めない…。

つまり、このお茶会が始まると…。



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