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イかせ屋…2
第4章 その男、弱い生き物につき…
「イかせ屋の…、そのほとんどがED(勃起不全)になるからね…。女性との生々しい仕事で女性に対して恐怖を感じたりするからだ。」
清太郎さんの話が確信に触れる。
常に女性優先…。
お客様である女性を怒らせる事だけは絶対にしないと常に心がけてるうちに女性が怖いものだと感じてしまうイかせ屋…。
仕事でなら割り切れる。
それが自分の恋愛だと怯えてしまう。
「僕はEDじゃないよ。でも、僕はゲイだ。」
清太郎さんからの信じられないカミングアウト。
目を見開く事しか出来ない。
「そういう意味では昌は強い。梓さんと普通に恋愛をしょうとしてるのだから…。昊なんか女性嫌いになって逃げたからな。」
「昊さんが?」
「一応、昊もイかせ屋の基本だけは姉さんから学んだんだよ。だが昊は長男でプライドが高くイかせ屋に向いてないという判断になった。」
だから曽我家では誰もが昌さんに逆らわない。
跡継ぎから逃げた人達は昌さんに逆らう権利がない。
「昌さんのお母様って…、どんな方でしたか?」
少し知りたくなった。
自分の子供が女性嫌いになったり、EDになるとわかっててもイかせ屋の跡継ぎを育てようとした人なのだろうか?
清太郎さんが空を見上げる。
「とても美しい人だった…。儚げで今にも消えそうなくらいに美しい人だったよ。」
清太郎さんの切なく、ゆっくりとした言葉に少しジーンとする。
次の瞬間…。
清太郎さんが青い顔をする。
「その代わり…、とても恐ろしい人だった。とても強く、有り得ないほどに恐ろしい人だった。」
清太郎さんが震え出す。
儚くて美しくて、強くて恐ろしい人ってどんな人なのですか!?
結局は、よくわからないお母様のイメージ…。