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イかせ屋…2
第6章 その男、王子様につき…



「お迎えに上がりました。」


私に合わせた紺色のダブルのスーツを着た昌さんが白いミンクの毛皮のコートを持ってる。

私が玄関まで出ると私の肩にコートを掛けて、肩を抱くようにして玄関を出る。

完璧な紳士のエスコート。

イかせ屋マジックの始まりだ。

車が横浜に向かう。

港の夜景が一望出来る高級ホテルのレストランでのデート…。

クリスマス料理…カップル限定。

私達の周りのテーブルにはカップルしか居ない。

昌さんはノンアルコールのシャンパン。

私はたまにはいいだろうとアルコール入り。


「素敵…。」


夜景を眺めながら素直に言う。


「このホテルの部屋も取ったから今夜は1晩中この夜景を楽しめるぞ。」


昌さんがニヤリとする。

今夜は1晩中寝かさないと聞こえる。

クロッチのないパンティーの中は昌さんの言葉だけでジュンと疼いて熱くなる。

ドレスが汚れちゃう…。

昌さんを出来るだけ見ないようにして食事をする。


「美味しい…。」

「ケーキレッスンは次はどうする?」


8回の基礎レッスンは終わった。

高い入会金を払ってるから会員になってる以上は追加でレッスンを受けた方がお得にはなる。


「でも、ケーキだけって勿体ないかな?」

「料理も習うか?」

「うん、こういうフレンチを自分で作れるようになりたい。」


うちは農家だったからお料理はお母さんに教わった範囲なら一通りが出来るけれど、本格的なフレンチなんかはさすがに無理だと思う。


「年明けから行けばいい。」


昌さんのいつもの穏やかな笑顔。

私が胸きゅんになる笑顔。

この笑顔を独り占めしたいと願う。

料理が進みデザートが来る。

食事の時間は終わり…。

後は昌さんとのデザートよりも甘い時間の始まり…。



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