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イかせ屋…2
第8章 その男、酔っ払いにつき…
「お父さん!ダメッ!昌さんは飲めないの!」
慌ててビールの入ったグラスを取り上げる。
兄までもが
「1杯くらい大丈夫だろ?主役なんだし、男の付き合いじゃ飲めないなんて言い訳は出来ねぇよ?」
と言いお父さんを煽る。
「飲めないのかね?」
「いえ、頂きます。」
嘘っ!?止めてーっ!
私だけが狼狽える。
昌さんは普通にビールを飲み干した。
「行けるじゃないか。もう1杯。」
ご機嫌でお父さんが昌さんを飲ませ出す。
意外と飲める?
ちょっとは強くなったの?
ビールの瓶がお父さんと昌さんと兄の3人で何本か殻になった。
1時間後…。
「梓…。」
「だから…、止めてっ!」
ひたすら私の耳を舐めて来る昌さん…。
私の身体をがっちりと抱いて押さえ付けてる。
「愛してる…。」
「わかってるから!」
ひたすら昌さんのキスから逃げるのに必死になる。
お父さんはもうイビキをかいて眠ってる。
兄とわかちゃんはニヤニヤとして襲われてる私を見てる。
お母さんは赤い顔をして
「そろそろ、片付けなくっちゃ。」
と言うと台所に逃げた。
「昌さんっ!」
「大丈夫だ。今夜は寝かせねぇから…。」
早く昌さんを寝かせなければと思う。
ここは私の実家であり、曽我のお家とは違うのだから…。
「昌さんって…、いつも、そうなの?」
わかちゃんが聞いて来る。
「酔うと記憶を失くす人なのっ!だから飲まさないでって言ったのに!」
思いっきり兄を睨む。
「布団の用意をして来てやるよ。」
兄は客室へと逃げ出す。
本当は昌さんはホテルに帰る予定だった。
だけど今更、ベロベロの昌さんを帰すとか出来ない。