この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第16章 用法用量は大切です
「お願いですか?へーへー、何でも聞きやすよー?」
「……何でも、ですって?」
くるんとした髪を撫でくり回しながら軽く請け合ったら、ご機嫌が悪くなりゃあがった。
普通、喜ぶとこじゃねぇのか?
「何でもなんて、そんなの、聞いたら、やっぱり嫌!!ってなるかもしれないじゃないの」
さすが、俺の暴君。良い返事でも、安売りされたもんは、お気に召さねーんだな。
有象無象のお嬢様たぁ、訳が違わぁねw
「なりやせん。」
「どうしてよ」
何て言ったら、分かりやすかねー。
「お願い聞かねー理由が全部、無くなっちまったからでさあ」
『私と、結婚して』
俺じゃあリュリュにゃ不足なんじゃねーか、とか。
『私を、好きな様にして』
俺がリュリュを壊しちまうんじゃねーか、とか。
んなもんどうでも良いって分かっちまっちゃあ、聞けねー様なお願いは、あと一っつ位しか無え。
いくら何でも、それぁ今は頼まれねぇだろ。
「……俺がリュリュを好きなだけ好きで居ても構わねーって分かっちまったんで、後ぁどんなお願いだって聞けやすよー」
「…………ビスカス……」
「なんですかい、リュリュ?」
「……あのね……」
溜め息みたいに俺の名前を呼んだ暴君は、それより更に小さい声で囁いた。