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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
スグリ様はこの屋敷に来られてから、茶会の他にゃあ敷地の外に遊びに出られた様子が無え。婚礼を控えてやんなきゃいけねぇ事がわんさか有ったって事も有るだろうが、俺ぁサクナ様がご心配の余りそうさせたんじゃねぇかと見ている。
婚礼衣装だって、何日かここに仕立て屋を呼びなすったりされたらしいからねー。今日の様子を見ても、過保護っぷりがひしひしと感じられまさあ。
まあ、他の奴にゃあ分からねーかも知れませんがね。こーいうのを、同病相憐れむってんだよな…
…おや。
その、サクナ様の病の元が、見当たらねえ。

「スグリ様は、どうされたんで?」
「ご婦人方んとこに挨拶に行かせた。若奥様が迎えに来て下さったしな」
「…お義姉様が?」
若奥様、という言葉に、それまで押し黙っていたお嬢様が反応された。

「ああ。女ギ…奥方様も、お前も居ねぇからって、わざわざな」
「…行かなきゃ。失礼致します、サクナ様」
お嬢様は宴席の方に向かって歩き出そうとされたが、一瞬ふらっとなさった。

「大丈夫ですか?」
「平気よ、離して」
ふらついたのを支えてやったってのに、酷ぇ言い草だねw
「や、ご一緒に参りま」
「女の席よ?着いて来たって入り口までだし、意味無いわ。結構よ」
お嬢様はそう言うと俺の手を撥ね付けて、酔っ払いにしちゃあしっかりした足取りで、歩み去って行かれた。
その後ろ姿を見ていたら、俺の口から何故か溜め息が零れた。

「…やっぱり邪魔した様だな。済まねえ」
「や、本当に違いますって…お気になさらず」
俺はサクナ様に向かって手を振った。謝られる方がよっぽど居たたまれねーです。
「それより、若奥様が呼びに来なすったって、本当ですかい?」
「ああ。それがどうかしたか?」
「あの内気な方が、よくお一人でいらっしゃいましたねー」
「ご婦人方に頼まれたって仰ってたぞ?スグリとは茶会で面識有るからな」
「あー、そうでしたね」
「本来なら女狐かローゼルが紹介するのが筋なんだけどって恐縮なさってたが…若奥様ぁ、そんなに気が弱ぇのか?」
「まあ、そうですねー。お部屋で一人手仕事したり読書したりがお好きらしくて、お嬢様のお出掛けのお誘いにも、あんまり乗って来なかったり…とにかく、大人しい方ですよ。もっとも奥方様やお嬢様と比べりゃあ、世の中の女は大抵大人しいですが」
「そりゃそうだな」
サクナ様は、肩を竦めて同意なすった。
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