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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
…もしもし?お嬢様?
吸ったとか吸われたとかってなぁ、嫁入り前の娘が鬼の首でも取ったみてぇに使う様な言葉じゃ、ねーんじゃねーですかい…?
イッちまいそうになりながら、俺は段々、可笑しくなってきた。
ムキになって絡んでくるお嬢様が、小せぇ頃のお嬢様に、ちょっとずつ似て来たみてーに思えたからだ。
「や、それは…全くの不可抗力で…」
不可抗力。抗う事の出来ねぇ力。
まさに、咲き誇り匂い立つ大輪の薔薇の花の如き、お嬢様の為にある様な言葉…なんだが。
「お黙り。」
お嬢様はぴしゃりと遮って目を怒らせて、俺のおでこにおでこをコツンとくっつけた。
「そんなはしたない事を、私だけが勝手にした事だなんて濡れ衣着せて、女に恥をかかせるなんて、いい度胸だわね?さっさと責任お取りなさいな」
「いや、ほんとに、そんな積もりじゃ…」
「五月蝿い。悪足掻きは見苦しいわよ。それから、私と踊って一番くるくる回してくれるって約束した責任も、忘れずに取って頂戴ね。やらなかったら、絶対一生許してあげないことよ。家に籠もって、この大嘘吐きで下品な変態猿野郎!!…って罵りながら、毎日泣き喚いて暮らしてやるわ。…いい気味だこと」
「うわ、酷っ…」
下品はともかく、変態猿野郎なんて口になさったら、お嬢様の品位が著しく損なわれますぜ?絶対に止めて欲しいお振る舞いだ。
「毎日、お酒も飲むわよ。お前が居なきゃ、誰も止めたり出来ないでしょうね。…浴びるほど飲んで、会う人会う人に、片っ端から絡みまくってやるんだから…ざまを見なさい」
「…はは…ほんっと、最っ悪ですねー…」
俺は、急に眠くなって来て、変に幸福な気分で、目を閉じた。
「ちょっと、ビスカス!…ちゃんと、聞いてる?!」
聞いてます、聞いてます。
…あー。こーいうのも、悪く無ぇなあ…。
お嬢様にずーっと罵られながら眠りに就くってなぁ、なかなか俺に相応しいやね…。
「…ねえ、ビスカスってば……」
奇妙な満足感とともに目を閉じてたら、お嬢様の声が、段々小さくなった。
「……ビスカス…?」
(何ですかい、お嬢様…)
「……ずっと、我が儘ばっかり言って、ごめんなさい……」
…うっわ。びっくりした。
お嬢様が、謝った。
びっくりし過ぎて、抜け掛けた魂戻って来たわ。
吸ったとか吸われたとかってなぁ、嫁入り前の娘が鬼の首でも取ったみてぇに使う様な言葉じゃ、ねーんじゃねーですかい…?
イッちまいそうになりながら、俺は段々、可笑しくなってきた。
ムキになって絡んでくるお嬢様が、小せぇ頃のお嬢様に、ちょっとずつ似て来たみてーに思えたからだ。
「や、それは…全くの不可抗力で…」
不可抗力。抗う事の出来ねぇ力。
まさに、咲き誇り匂い立つ大輪の薔薇の花の如き、お嬢様の為にある様な言葉…なんだが。
「お黙り。」
お嬢様はぴしゃりと遮って目を怒らせて、俺のおでこにおでこをコツンとくっつけた。
「そんなはしたない事を、私だけが勝手にした事だなんて濡れ衣着せて、女に恥をかかせるなんて、いい度胸だわね?さっさと責任お取りなさいな」
「いや、ほんとに、そんな積もりじゃ…」
「五月蝿い。悪足掻きは見苦しいわよ。それから、私と踊って一番くるくる回してくれるって約束した責任も、忘れずに取って頂戴ね。やらなかったら、絶対一生許してあげないことよ。家に籠もって、この大嘘吐きで下品な変態猿野郎!!…って罵りながら、毎日泣き喚いて暮らしてやるわ。…いい気味だこと」
「うわ、酷っ…」
下品はともかく、変態猿野郎なんて口になさったら、お嬢様の品位が著しく損なわれますぜ?絶対に止めて欲しいお振る舞いだ。
「毎日、お酒も飲むわよ。お前が居なきゃ、誰も止めたり出来ないでしょうね。…浴びるほど飲んで、会う人会う人に、片っ端から絡みまくってやるんだから…ざまを見なさい」
「…はは…ほんっと、最っ悪ですねー…」
俺は、急に眠くなって来て、変に幸福な気分で、目を閉じた。
「ちょっと、ビスカス!…ちゃんと、聞いてる?!」
聞いてます、聞いてます。
…あー。こーいうのも、悪く無ぇなあ…。
お嬢様にずーっと罵られながら眠りに就くってなぁ、なかなか俺に相応しいやね…。
「…ねえ、ビスカスってば……」
奇妙な満足感とともに目を閉じてたら、お嬢様の声が、段々小さくなった。
「……ビスカス…?」
(何ですかい、お嬢様…)
「……ずっと、我が儘ばっかり言って、ごめんなさい……」
…うっわ。びっくりした。
お嬢様が、謝った。
びっくりし過ぎて、抜け掛けた魂戻って来たわ。