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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第9章 夢は夢だから夢なのです

「相談つっても、反対する奴も居なかったから、あっさり了承されてたけどな。昨日ぁ女狐が館で留守番しててくれて、幸運だったなあ」

「ビスカスさんは気絶なさってたけど、クロウさんが、ビスカスさんも意識の有るときに同意してたって、証人になって下さったんですって!クロウさんが駆け付けて下さってて、本当に良かったわ!」

「長かったよなあ、お前の辛抱も…こうなってみると、その怪我も無駄じゃ無かったって事かもな。ローゼルも、お前が怪我した事で、思い切れたんじゃねえか?」

「ローゼル様、ついさっきまで、すごーく甲斐甲斐しくお世話なさってたのよ…?憂い顔を見てると私まで切なくなったり、一生懸命なご様子が、お可愛らしかったり…私、ローゼル様のこと、ますます好きになったわ。同じ時期に、新っ…婚っ、生活を過ごせるなんて、本当に嬉しいわ!きっと、もっと仲良くなれると思うの…!」

あの…お二人共…?
勝手なことを喋くって盛り上がりまくってくれやがってますが、俺ぁ、完っ全に、置いてきぼりですぜ。
なんたって、前提が、大きく間違っている。

「…してやせん…」
「あん?」
「ふぇ?」

「こんやく、なんざ…してやせん…」
「ふへ?」
「お前…」
スグリ様は全く分かっちゃくれなかったが、サクナ様は分かって下さった様だった。不機嫌顔に不機嫌が追加されたんで、分かって下さった事が良かったかどうかは、分からねーけどな。
ところが。

「お前…そんな大事な事を、憶えて無ぇのか…?!まさか、頭も打ちやがったのか…!!」
「大変っ!クロウさん達呼んで来る!!」
起きた時から疲れていた俺は、五割り増しでぐったり疲れた。
なんなんだよ、この夫婦は……!!
夫婦漫才か…!?

「ちょ…スグリさま…まって、くだせぇ…」
クロウ達を呼びに行こうとしたスグリ様を、俺は必死でお止めした。
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