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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第11章 嗜みは必要です
 お嬢様……!俺ぁ生まれて初めて、何も壊さず何もぶちまけずに、茶ぁ淹れられやした……!すげーです。奇跡です……!

 こりゃ坊ちゃん様にも礼を言わねーとならねぇなと思った俺は、さっきの返事に一言付け加える事にした。

「今回リアン様は、お嬢様のお見合いのお相手として招かれたと伺っております。そのような御方に失礼な振る舞いをする気は、毛頭御座いません」

 ほんとに、毛頭無ぇですよ?お陰様で有り難ぇ事に、道具の扱いにちょいと自信が付きやした。
 内心歩み寄ったってのに、坊ちゃん様は俺に冷たい目を向けた。

「お前、もう下がって。」
「……失礼致します」

 俺の感謝は、通じなかった。残念だ。
 もっとも、口にゃあ出してねーからな。
 心の中じゃあお嬢様にだって叫んだが、口にゃあ出せねえ。俺の不調法や嗜みの無さが、御従兄弟様にバレちゃあ困る。御付にそんなクッソ酷ぇ野郎が居たなんて、お嬢様の沽券に関わる……とっくにバレてるかw

「お茶を~淹れやしょうお嬢様~っと……あ。」

 大仕事を終えた俺は機嫌良く歌いながら廊下を自室へ歩いて居たが、突然、大事な事を思い出した。

 旦那様から御従兄弟様に挨拶しろって言われて来たのに、茶にかまけ過ぎてすっかり忘れてたわwww

 坊ちゃん様に名乗っても居なけりゃ、ようこそいらっしゃいませも言ってねえw
 お嬢様も全然お喋りにならなかったから、名前も呼ばれ……待て。

 そもそも俺ぁ帰って来てから、お嬢様に一度も「ビスカス」って、呼ばれてねぇや。

 その事に気が付いちまった俺は、気が付いた事を悔やんだ。同席してんのに、目も合わねぇ、名も呼ばれねえ。そんな事が、今まで有ったか?
……だが、旦那様の命令は命令だ。挨拶だきゃあしねぇとな。

「失礼致します」

俺は、客間に戻って、扉を開けて、顔を上げて部屋ん中を見た。

 御従兄弟様とお嬢様が、いちゃいちゃしてた。
 ……お邪魔でしたか。お邪魔でしたね。

 俺は怒り狂う御従兄弟様にとっとと自己紹介をすると、さっさと部屋を出た。
 お嬢様が婚約者様と宜しくやろうがしっぽりしようが全っ然構わねぇが、邪魔ぁしたくも見ていたくも無ぇからな。嗜みの問題だ。

 久し振りの部屋に戻って、窮屈な服を脱ぎ捨てて寝転んだ。
 心底、クソ鬱陶しい。その原因は、何なのか。
 俺は考えずに、無理矢理眠った。
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