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SSS
第7章 海の中のそのタダ中で
“……いやむしろ、アイツの側に置く方が心配だな”
そう思いながら、クリスは眼下のレオンを眺めるのだった–––
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「海って…こんなに広いのね……」
船の頂上に上がったリリアは、見張りの男と交代して辺りを見渡した
どっちを向いても海しかない
ヴィークでもごく一部そういった場所があるが、すぐに陸地が見えてきたものだ
“クリスの言う通り……ヴィークは内海だったんだわ”
終わりの見えない海–––だが光を反射してはっきりと浮かび上がる水平線を見た瞬間、リリアの体に震えが走った
“何……”
一瞬その広さと自分のいる場所の高さに怯えたのかと思った
“…違う……”
「……あ…」
懸命に堪えようとする体が足から崩れ落ちてゆく
“怖い……”
幼い頃から、ヴィークの外に広がる海はやがて大きな滝に突き当たり全てのものがそこから堕ちるのだと–––そう教わってきた