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SSS
第7章 海の中のそのタダ中で
ここは本来 死後の世界
この先待っているものは、ただオチルだけ–––
「……リリア?」
「…っ……」
「どうした……?」
深く柔らかい声に、リリアは顔を上げる
その拍子に一筋の涙が頬を伝った
「レオ…ン……っ」
「どうしたんだ……」
優しい温もりが背中を、肩を、頭を包む
それは彼女を安心させると同時に、抑えていた全てを解き放った
「こわ…くて……」
「ん?」
「このまま何もない世界のまま……一人で彷徨ってしまったらと……」
レオンの深い吐息が耳元を掠める
「何もない世界? そんなわけないだろう。
言ったはずだ……この先にあるのは新しい世界。新しい地。
私を信じて委ねると誓ったのではなかったか?」
「…っ……だって…いつも一人なのよ……」
シエラで囚われていた頃を除いては、常にレオンが傍にいた