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SSS
第7章 海の中のそのタダ中で
意外に余裕のあるレオンのその視線の先では、繋がれた梯子の縄が不自然に動いていた
誰かが上がってきている
最初は見せつけてやろうかとも思った
だがこの姿は、己一人のものにしておきたい
「…いいから イけ…っ……」
耳の中に吹き込まれた命令が、リリアの頭に響き躰の芯を貫いた
「ああぁあっ!」
結合部から勢いよく水が飛び散る
「ハッ…う……!」
あとを追うように、レオンも滾りを解放した
「…っ……」
余韻に浸りたいところだがそうも言っていられない
力の抜けているリリアに取り急ぎ服を掛けると、何事もなかったかのように立ち上がった
ギシッ
「よう。少しは落ち着いたか?」
クリストフのその質問は、もちろん先だってのやり取りについてのはずだが今の二人にはイヤに意味深に聞こえる
「ああ……お陰様でな」