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SSS
第2章 隠された想い
"…おかしい……”
彼が隠せる場所はそう多くはないはずだ
まさか地下かと聞いても違うと言っていたし–––
「ああーもうっ!」
もうだいぶ日も傾いている
またあの勝ち誇った笑いを見せつけられるかと思うと無性に癪に障った
…チチチ
「……?」
何だろう
頭上がやけに騒がしいような気が–––
「ああ、鳥が戻って来たのね…」
夕方になり巣に帰った鳥が一羽、木の周りを飛び回っている
「ハァ…」
いい加減素直に負けを認めようと、綺梨はその木の根元に居る麗夜に近づいて行った
「なっ……!」
近づいて初めて、彼が心地よさ気に寝息を立てていることに気がつく
”人が頑張って探してる時に……!”
叩き起こしてやろうとしたその時、綺梨はピタリとその手を止めた