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SSS
第2章 隠された想い
”え……? 飛び回っ…て?”
彼が眠る木の上をもう一度見上げる
チチチ!
そこに巣はあるのに、鳥が入っていく気配は全くない
ずっと空中を彷徨ったまま鳴き続けている
「まさか……」
”彼がここに陣取ったわけって……”
隠し持つのではないにせよ、普通隠した場所の側にいるなんて誰が思うだろうか?
そしてケンがいようが関係ないというあの言葉–––
鳥が巣に戻れないのは、奇抜な卵がそこにあるからではないのか?
綺梨は木を見上げてゴクリと唾を飲んだ
お転婆と言われては来たが木登りなどほとんどしたことはない
頑張ればいけるような気もするが–––