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SSS
第5章 叶えられた願い
「……由貴」
麗夜は挨拶代りに相手の名前を呼ぶだけで済ませた
「えっ、ほんとに何事……?」
「ユキって……あの由貴様だよね?」
再び喋り出した二人を、麗夜はジロリと睨みつける
「フフッ」
「なんだ」
思わず笑い声を漏らした由貴にまでその目を向ける
「いや…相変わらず怖いなぁと思ってね。
いつまでもそんなだと後で困るよ?」
「余計なお世話だ」
鼻を鳴らしてそっぽを向く麗夜はとりあえず置いておき、由貴は隣の女の子たちを宥めにかかった
「こんにちは」
「…っ! こ、こんにちは!」
時間帯としてはこんばんはだが、由貴の微笑みは昼間の明るさを思い出させるほど素敵だった
輝くイルミネーションの下だとなお映える
「こっ、これから二人でお出掛けですか!?」
「うん、まぁそんなようなものかな。二人だけではないけど」
プライベートを完全に無視した相手にも優しく丁寧に答える由貴