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SSS
第5章 叶えられた願い
「綺梨が探してきた店だ。何の問題もない」
そう言いつつ真梨子と目が合わないのが全てを物語っていた
だがそれ以上追及するより先に食事が運ばれてくる
「わぁっ、素敵ね!」
並べられていくのは各国のクリスマス料理。
中には少し変わっているものもあって、城でも滅多に食べられないディナーに綺梨はかなり興奮気味だ
「……綺梨」
「いいじゃありませんか、今夜くらい」
再び諭そうとした長を、今度は真梨子が止める
「……」
「ほら、あなたもお料理を楽しんで。美味しいワインも持って来たから」
長は渋々といった顔で食事を再開する
「ほんと、母様は父様に甘いし父様は母様に弱いわよね」
綺梨が隣の由貴にこっそり囁いた言葉が麗夜にも届き、麗夜はクックッと小さく喉を鳴らした
「麗夜!」
「……っ」
今度は綺梨の時とは打って変わって厳しく鋭い声が飛ぶ