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SSS
第5章 叶えられた願い
「食事中に無闇に笑うものじゃない!」
「……すみません」
謝る麗夜の前で真梨子はまた長を宥める
「……?」
そんな家族の様子に、由貴は心の中で首を傾げた
確かに麗夜は長の息子だが、次期長としての継承権はない
その点で言えば綺梨の方が厳しくして然るべきなのに、長はまるで彼に八つ当たりするように怒りをぶつけて見える
継母が義理の子供にというならよく聞くが–––実の息子なのに?
それは麗夜が一族に加わって以来何度も疑問に思ったことだった
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「最後はクリスマスケーキね!」
綺梨が嬉しそうに声を弾ませた時、麗夜が突然席を立った
「……少し失礼します」
その顔は目に見えて蒼白く、出された料理もあまり手を付けられていなかった
「兄様……大丈夫かしら?」