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SSS
第5章 叶えられた願い
「そうね。少し様子を見てくるわ。
……え?」
立ち上がろうとした真梨子を制したのは、長だった
「良い。私が行こう」
「でも……」
「男用に入るわけにはいかないだろう?」
そう言われて、真梨子は素直に腰を下ろした
「それもそうね」
そしてにっこりと微笑む
長も、そして麗夜も救われた、あの優しい笑み
「なら、お任せするわ」
「ああ。そのまま続けてくれて構わない」
デザートを運んで来た係にもそう指示すると、長も麗夜の後を追って部屋を出た
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「……ハァッ」
白い息が吐き出されては消えていく
冷たい空気に肺が痛くなっても、麗夜は深呼吸をやめなかった
「……今夜は一段と冷えるな。そういえば予報で降ると言っていたか」
「…!」
突然横に現れた父親に動きが止まる