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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても



それでもリーには、そんな甘い時間を過ごしている暇はなかった

すぐに父親に付いて一つのテントへと入ってゆく



「遅かったのう、ガロ」

「ガロ一族は大変だったと聞くから……仕方あるまい」



薄暗いテントの中には、屈強で強面の男たち。

その野生的な眸でレオンを怯ませたリーでさえ、ここではただの若造だった



「長の席は空いているぞ……まだな」



入り口から最も遠い席にガロ–––リーの父親が座る

”若長”には、ガロ一族の次期統治者であるということ以外に、ケチュア人の頭領の息子であるという意味も含んでいた

しかし実際には、このすべての統治者は数年に一度–––この会合で変えられる

長たちの選挙と、模擬戦によって。



”これは……今回の長の座は難しいか”



この空間に立ち込める雰囲気から、リーはすぐにそれを察した

別に長にならずともそう困ったことはない

ただ様々な慣習や制度を変える権利–––そしてケチュア人の平和を守る責任が生じるだけだ


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