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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても

苦笑いを浮かべながら窺うように顔を出した二人
「ハオのことを非難しておきながら……一体どういう状況だ、これは」
「さっきはいいって言ったじゃないか!」
シュエンは恋人のルィを引き寄せながら反論した
「あの二人は違う部族だから……お前たちはいつでも会えるだろう」
「それでも今回は久しぶりだ。あの闘いの間、女たちはいなかったんだから」
「それは、そうだが……」
シュエンが言いたいことは分かる
会えなかったそれ以前に、初めて戦というものを目の当たりにして命の儚さに気づいたのだ
いつ会えなくなるとも分からない
「場所はわきまえろよ」
リーはそれだけ言い残すと、二人に背を向けて日の沈んで行く草原に立った
唇に指を当て、鋭く口笛を吹く
ピィ---ッ!!
彼の呼び声を聞いて一頭の鹿毛が遠くから駆けてきた
「夕飯は食べたか? ん?
少し散歩でもするか……」

