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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても



優しく話しかけると、馬も喜んで鼻を鳴らす

リーは鞍も何も付いていないその背に飛び乗って夕暮れの大草原へと駆け出して行った







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真夜中–––





空には無数の星が瞬き、少女はその輝きに負けないくらい目を輝かせていた



「まだ寝ないの?」



リーは彼女の横に立つと、ニッコリと笑ってその顔を覗き込んだ

彼の短い髪が風に吹かれて少しだけ揺れる



「リー! まだ帰ってなかったのね!」

「ひどい言い方だなぁ……帰ってて欲しかった?」

「あっ、そういう意味じゃ…なくて……」

「フフッ、分かってるよ」



リーは申し訳なさげに口ごもった彼女を笑った



「髪……伸びないわね」

「…っ……今のは本気で傷ついたなぁ」



未だ彼女の父親–––ギスタール家当主と談合を重ねているガロに、リーはほとんど毎日挑んでは負けていた


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