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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても

敗北者の髪は一向に伸びない
「ごめんなさい……じゃあ私、あのお星様にお願いするわね!
リーがお父様に勝てますようにって!」
「お願い?」
不思議そうに首を傾げ空を見上げるリーにリリアは説明した
「知らないの? 今日はお空にお願い事して叶えてもらう日なのよ」
「へぇえ……」
リーは興味津々といった様子で身を乗り出した
「ヴィークだと冬なんだね。そのお願い事」
「うんっ、神さまが生まれた日だから、神さまにありがとうって言ってそしてお願い事をするのよ」
「俺たちは夏だな、そのお願い事」
「夏?」
天〈ソラ〉の大河に橋が掛かり、恋人たちが出逢う夜
彼らに自分たちを重ね合わせ、願うというよりは、祈る夜–––
「変なの」
「フフッ……じゃあ俺も、冬だけどリリアに倣ってお願い事しようかな」
「なんてお願い?」
「んー、そうだな……。
来年も……」

