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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても



「ああ、そうか……君は」



リーは愛馬以外に誰もいない草原で、一人呟いた



”俺は知らないうちに……あのヴィークの海そのものを、愛していたのか”



リリアと、彼女が愛するものすべて。

そして彼女はこう願ったに違いない



自分の故郷に–––ヴィークに、幸あれと。





”神に祈るだけなら……神に選ばれたことに縋るだけなら、何も変わらない”



俺のなすべきことは–––







******************************







「勝者、ガロ!」



毎回、この模擬戦でこの男に勝てる者はなかった



「さあ、次の挑戦者は誰だ?」



頭領を選ぶこの試合は、現役の長に一人ずつが挑む形で行われる

誰でも構わない

現頭領が負ければ勝った者に挑む

そして挑戦者がいなくなった時、長の地位はその者のものになるのだ



「俺がやる」



続いて歩み出たのは–––ガロと同じく部族長という立場にある、リュマ


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