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SSS
第6章 たとえ貴女に逢えなくても
「相手を殺せば勝ち……喉元か、心臓に寸止め」
難しくはないと、口には出さないがリーの顔には不敵な笑みが浮かぶ
「さっさと始めましょう」
リュマと対峙したリーは、戦さ前と変わらぬ雄々しさを纏っていた
カレルのために切り落とした髪の毛が風に吹かれて激しく靡く
「……っ!」
その黒髪が落ち着こうかという瞬間、リーは一気に距離を詰めリュマの大剣の中に入った
だが相手も海千山千の戦士
この程度で決まりはしない
「ハッ…!」
さっと身をそらすと同時にリーの体めがけて大剣を振るった
ザザッ
短剣でまともに攻撃を受ければ弾け飛ばされる
リーは身を伏せると武器を持った左腕一本を軸にしてくるりと側転をしそれを免れた
「体術が……進化してるな」
「あれがリーの努力の結果ってわけだ」
親友二人も、周囲の感嘆に混じって声をあげる