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本の夢…
第3章 秘密の恋
歴史の授業じゃよくわからなかったイギリスの歴史がその本から少しわかった。
教科書だと何故イギリスとスペインが戦争になったのかがわからなかった。
宗教の問題だったんだ。
初めて、歴史を理解した気分。
「面白い?」
頭の上から声がした。
先生が笑っている。
「うん!面白いです。」
「それは良かった。でも、まずはお昼ご飯にしよう。」
図書館の入り口はもう先生が鍵を掛けていた。
窓もカーテンが引かれて私が居る事は誰にも知られない状況だった。
先生が机の上にバスケットを出して来た。
ピクニックに持って行くようなバスケット。
中からおにぎりが入ったケースを出して来る。
オカズのケースには卵焼きとウィンナー、唐揚げがあった。
それにサラダとデザートにフルーツ…。
「これ、先生が作ったの?」
「そうだよ?僕は一人暮らしだからね。」
ちょっとホッとした。
もしも、彼女に作って貰ったとか奥さんが作ったとか聞いたら、きっともう先生との秘密の恋は出来ない気がしたから…。
「食べたら、まずは数学と英語の勉強をする事。僕はその間に今日に返却された本の片付けるという仕事を済ませるからね。」
「えーっ!?勉強が先?」
「そうだよ…。それをちゃんとやったら、ご褒美に夢が知りたい事を教えてあげる。」
それを言われると弱い…。
早くいっぱい教えて欲しいのに…。
身体がちょっとだけウズウズとする。
ああ、主人公が早く先生に触って欲しいと思った気持ちが少しだけわかった気がする。
先生が作ったご飯を食べた。
その後は先生が本の整理の仕事をする間、先生のお勧めの本で数学と英語の勉強をした。
「お待たせしたね。」
3時に先生がそう言った。
「もうお仕事は終わり?」
「もう少しあるけれど、夕方までは夢の為の時間だよ…。秘密の恋をする約束だからね。」
先生が悪戯っ子みたいな顔をした。