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本の夢…
第6章 初めてのデート



「2人になれるところ?」

「そうだよ。先生と2人になれるところがいいの。誰にも邪魔されない2人だけの時間が欲しいの。」


もう本の真似をする恋愛は要らないと思った。

自分の恋愛を先生とやりたいと思った。


「本当にそれでいいのか?安月給でも夢がやりたい事はさせてあげれるよ?」


いつもは鋭い目のなのに先生が目を丸くする。

可愛いかも…。

10歳も年上の先生が可愛くて愛おしいと感じた。


「うん…、映画も買い物も要らないの。先生との時間が一番大切な時間なの。」


服装は関係ないと思った。

先生との秘密の恋で確実に大人になっている自分を実感した。

本の中から飛び出して現実を先生と恋する。

それが今の私の願いだった。


「わかった。」


先生が車を出した。

車は街を離れて山の中を走った。

1時間くらい走ると山の中にポツンと建っている建物に先生の車が入った。

1つずつ建物があって1つずつ駐車場がある。

いくつかの駐車場はシャッターが下りている。

空いている駐車場に先生が車を停めるとシャッターがゆっくりと閉まった。


「ここは?」

「モーテル…。」


先生がニヤニヤとした。


「先生…、エッチ…。」

「2人だけになりたいって誘ったのは夢だろ?」


2人で笑って車を降りた。

駐車場にある階段を登ると扉がある。


「どうぞ。」


先生が扉を開いた。

透明なガラスに囲まれた丸見えになるピンク色のお風呂が見える。

その奥にピンク色の丸いベッド。

ピンク色のソファーに壁もピンク色。

窓は無くて、鏡が壁や天井に付いている。


「ここがモーテルなんだぁ…。」


初めて見るモーテルを見学した。



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