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本の夢…
第9章 海よりも…
今日は始発の電車…。
海が少し遠いから、朝一番に先生と待ち合わせ。
朝からの待ち合わせで良かったと思う。
先生に会いたくて堪らなくて、昼からの待ち合わせだときっと私の心が壊れちゃう。
駅のホームでなかなか来ない始発にイライラとするくらい私の気持ちは焦っていた。
終点まで電車に乗り、先生との待ち合わせ場所に向かう。
いつもの空色の小さな車を見つけただけで私の心が落ち着いていく。
「先生っ!」
車に乗り込んだ瞬間、腕がグイッと引っ張られて先生が私にキスをする。
「何が起きた?」
先生が不安そうな顔をする。
海に向けて先生が車を走らせる。
「佐川さんに図書館を出るところを見られちゃった。」
泣きそうになって先生に説明をする。
落し物の言い訳をしたと先生に話す。
「そうか…、どうせ2学期からは図書館の閉館時間で夢を帰すつもりだったから仕方がないな。」
先生が少し切ない顔をする。
「ごめんなさい…。」
「夢が謝る事じゃないよ。だから今日はいっぱい楽しもう…。」
「もう…、先生とは離れ離れ?」
「そんな事はないよ。受験の間だけの我慢だ。クリスマスは夢の為に時間を作るつもりなんだから、出来るだけ推薦で合格をしてくれよ?」
先生が少しおどけたように笑う。
まだ夏なのにクリスマスの約束?
もし、推薦が不合格だとクリスマスなんか遊んでいられない。
先生とデートがしたいなら、推薦入試をしっかりと頑張りなさいと先生が言っている。
「クリスマスプレゼントは?」
「当然、僕でしょ?」
「エッチ…。」
「僕…、エッチをするとか言ってないよ?夢が1人で妄想してエッチだなぁ…。」
「酷いよ!」
運転をする先生を少し叩くと、その手が優しく握られる。