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本の夢…
第2章 本の先生



終業式…、明日から冬休みだから先生に会えなくなる日だった。


「冬休みはいっぱい本を読みたい。」

「なら、数学の本も読んであげて下さい。」

「読んだよ。」


数学の本は全部で3巻まである。

2巻までは読んだ。

今までわからなかった数学が少しわかるようになった。

3巻は3年生の数学の話だから、まだ読んでいないだけだった。


「そう…、じゃあ、今日は特別な本を貸してあげる。」


先生がそう言った。

特別な本?


「これは図書館の本ではありません。これは人に見せてはいけない本です。だから必ず誰もいない場所で1人で読んで下さいね。」


先生がそう言って単行本サイズの小さな本を私に貸してくれた。

貸し出しカードの必要がない本。

先生が私にだけ特別に貸してくれた本。

ドキドキとかする。

これってなんのドキドキ?

急いで家に帰って自分の部屋で1人になった。

先生の本を開いた。

主人公は私と同じ高校2年生の女の子。

彼女の悩みは大きな胸…。

ちょっとだけ羨ましいとか思っちゃう。

私の胸はちょっとしか膨らんでないもの。

その大きな胸の女の子が通学の朝の電車で痴漢に合う。

えっ…!?

この本…、なんか普通の恋愛小説と違う。

だって、主人公がブラジャーのホックを外されて大きなおっぱいを痴漢に揉まれながら


『ンフッ…、ンーッ…ハァハァ…。』


って変な台詞を言っている。

制服のシャツに胸の形がはっきりと型どられると男の指先が彼女の突起へと触れた…。

そんな文章を読むと私の小さな胸がチクンとブラジャーの中で痛くなった。

その瞬間に主人公は学校の社会科の先生に痴漢から助けて貰っていた。

ちょっとだけホッとした。



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