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チャンスの神様は・・・
第1章 グアム編 
② 出会いは偶然に・・・

初日の夜は早く寝たこともあって、次の日の朝は予定通り早く目が覚め、更に昨日の疲れもなく気分爽快でした。
さっそく海岸へ散歩に出かけます。その途中で食べようとパンと飲み物も用意してタモン湾の海岸をのんびりと歩き出しました。
まだ昼間程の暑さは無く湿度も低いのでとてもさわやか。時折吹く風が、海岸なのにサラッとしていて、肌がベトベトしてくることがありません。犬の散歩をしている現地の人やジョギングをしている人達とも気軽に挨拶をして気分も上々です。

そしてここでチャンスの神様が微笑んでくれたのです。
大学生らしい2人組の女の子が、膝まで波につかりながらお互いを撮影していました。
そして、次に自撮棒を使って2人で一緒に写ろうとしているのですが、納得がいく写真が撮れていない様子でした。

「良かったら、俺が写真を撮ろうか?」
それは自分でもびっくりするほど自然に、更にその時に限って言えば、後々の事など考えずに素直な気持ちで声をかけることができたのです。
すると、一瞬の間を置くこともなく、女の子達も返事を返してくれました。
「はい!お願いします!」「たくさん撮ってください!」
明るく可愛い声でした。
スマホを受け取りながら2人をよく見れば、誰が見ても、魅力的だね、と思うようなタイプです。
ワンピースを着た黒く綺麗な髪を長く伸ばしている、見た目は大人しそうな子と、少し明るい色に髪を染めたショートヘアーが似合う、ショートパンツの女の子。笑顔が素敵な2人でした。

名前など自己紹介することもなく、さっそく撮影を始めます。
趣味でモデルさん相手に撮影をしていることが役に立ちました。ポーズの撮り方や背景と一緒に映りたい場合の立ち位置など、ちょっと工夫して撮影した写真を見せてあげれば、その都度声をあげて喜んでくれます。
「凄く綺麗に撮れてる!嬉しい!」「写真集の写真っぽくない?恥ずかしいくらい!」とまで言ってくれます。とにかく良く笑う明るい子達でした。

何十枚と撮影していくうちに、初対面で遠慮していた部分も消えていきます。名前も聞くことが出来ました。
長い髪の子が藤崎奈菜ちゃん、ショートの子が高原美咲ちゃんです。自分も正直に田中と名乗りました。
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