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HANAMIZUKI ~思いを受け止めて
第8章 マンションの人
まだ何もない部屋・・・。
ソファーとテレビとベットしかない。
リビングのソファーに座らせ俺はその下に座った。
ガタガタ震える美春ちゃんの膝を抑えるように触った・・・。
「寒い?」
俺がそう言うと・・・美晴ちゃんはまた首を横に振った。
・・・・・・。
血が止まってる小さな手・・・。
でも傷口は赤く腫れて・・・・痛々しい・・・。
「美晴ちゃん・・・痛い?」
手を俺の手でスッポリ包み込んだ・・・。
美晴ちゃんは俺の目をじっと見て・・・・
「・・・暖かい・・・だから平気・・・・」
胸がドクドク鳴る感覚を・・・初めて味わった。
「・・・目瞑って・・・・」
俺がそう言うと・・・彼女は綺麗な長い睫毛をパチパチさせながら・・・
静かに目を閉じた・・・。
俺は自分の手の中に納まった小さな白い手を・・
その白い手の内側にある痛々しい傷を見た。
こんなに綺麗な手を・・・どうしたら・・・。
ゆっくりその手を持ち上げ・・・
自分の顔に近づけた・・・。