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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
「沙絵…死んじゃだめだ…」
「はぁ…はぁ…お父様…沙絵は死なないよ…お父様に会いたい…
一緒に暮らすんだもん…
はぁ…はぁ…お父様のプリン…食べたい。」
「沙絵…」
僕は沙絵の手を握る。
お手伝いさんがプリンを持ってきてくださった。
「沙絵、起き上がれるかい?」
「うん…」
背中に手を当てて起こしてやる。細くて華奢な体が益々軽くなってしまっていた。
「はい…あーんして…」
「う…うん、あーん」
口にプリンを運んでやる。
コクン…
「美味しい…」
ゆっくりだが、休みなく食べ続けて完食する。
「沙絵ちゃん全部食べたね。」
「お祖父様いや、あっちいって…」
「そんなに嫌わないでくれよ…」
「お父様と一緒に暮らしたい…それだけ…」
「沙絵ちゃん、わかったよ。元気になったら一緒に暮らせばいい…」
「ほんと?いいの?やったぁ…
ゼリーも食べる。」
沙絵はゼリーも平らげた。
日に日に元気になる沙絵をみて、おじさんも観念したらしい。
無条件で沙絵との養子縁組を許してくれたのだった。