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写性 …SHASEI…
第3章 新居
「お父様…」
アトリエで絵を描いていると沙絵が起きたようで、彼女の部屋に迎えに行った。
病気になって、お父様のプリンを食べたい。
そう思っていたけれど、熱が出て、その辺からの記憶がはっきりしない。
次にお父様にプリンを食べさせてもらったのも、
お祖父様にお父様と暮らすことを許されたことも、
熱のせいでみた夢だと思っていた。
次にはっきり起きた日には、お父様に連れられて新しいお家に来ることになっていた。
お祖父様に挨拶をしてお父様の車に乗っても、まだ夢なのではないかと思っていた。
ああ、やっぱり夢だったんだ。
目覚めた私は思った。
見慣れない天井…
ここはどこ?
「お父様…」
呼んでみても返事がない。
病院?
「お父様…」
不安になる。
カチャッ…
部屋の扉が開いて、真っ白な着物を着たお父様が入ってきた。
「お父様…私、死んじゃったの?」
お父様が目を大きく開いて駆け寄ってきて、私をベッドから抱き上げ、
抱き締めてくれた。
ぶらんと下がる足のやり場に困り、お父様の体に巻き付けた。
お父様がビクッとしたのがわかり、離れたくなくて、もっと手足を巻き付けた。