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写性 …SHASEI…
第4章 淫夢
朝食を作り沙絵と食べる。そのあとは、アトリエで沙絵を脇に置いて作品を手掛ける。
沙絵は本を読んだり、折り紙をしていたが、気づくと机に突っ伏して寝ていた。
可愛い寝顔だ。
新しい紙を用意して沙絵の寝顔を描いた。
肌も、髪も、睫毛や瞳、すべてのパーツが沙織に似ている。
日中は冷静に居られる。沙絵を見て、沙織を思い出すだけで、別に沙絵に欲情はしない。
絵に留めながら再確認をした。
沙織を何度となく抱いたが、自分の性癖を打ち明けなかったこと、ずっと避妊をしたままだったこと、
愛するあまりに、大事に抱いていたこと…
突然、結婚し他の男のものになり、妊娠して帰ってきた。そしてこれからというときに、失ってしまった。
もし、こうしていればと後悔ばかりで、今となっては僕の為に色々辛い思いをさせたこと、なのに何も返せない自分。
そんな中であんな夢をみてしまうんだな。
冷静に分析してみた。
んん…
沙絵が目覚める。
「あれ、私寝ちゃってたんだ。」
「そうだね。」
「ああ、私の絵だ。」
「勝手に描いてごめんね。」
「いいよ、お父様の絵好きだからいっぱい描いて…」