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写性 …SHASEI…
第7章 習慣


「沙絵、この花は芽はすぐに出ないよ。秋になって、いきなり茎が出て花が咲くんだ。真っ赤な花火みたいなお花だよ。」

「なんてお花?」

「曼珠沙華。」

「まんじゅしゃげ?」

「そう、忘れられても必ず秋の彼岸の頃に咲くから、彼岸花とも呼ばれてる。」

「二つ名前があるの?」

「そうなんだよ。」


名前が二つあるなんて私みたい。沙絵と沙織、お父様の大事な人の居場所にぴったりのお花だわ。

そう思うと嬉しくなった。

球根を丸くなるようたくさん植えて、真ん中に沙織という名前の入った石を置く。

お母様、ここで見ててね。名前をもらうわね。


庭の他の花木のお世話をしてからおうちに入った。


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